「けいおん!」×「ゆるい」

さっき会社のデスクを片付けていたらクラッカーが出てきました。
これがもし仕事中に「ぱん」となったら、おそらくショック死します。
そのぐらいクラッカーが苦手です。

アクアの鈴木です。

さていきなりなんですが、「けいおん!」というアニメの話です。
このブログをご覧の方ではご存知でない方の方が多いと思うので。

2009年の4月に一度スタートしたアニメで大人気になったアニメです。
TV版のブルーレイの売上は歴代TVアニメで最大の売上でした。

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しかも登場人物たちが歌っているという設定のCDがオリコンの上位にガンガン食い込んでいました。
いろんな所のCDランキングで急にアニメの歌が流れてびっくりした人もいるのではないでしょーか。

とある女子高の軽音楽部を舞台にしたアニメで、
カワイイ女の子達がキャッキャキャッキャいいながらゆる〜く戯れる学生生活を描いた作品です。

おっと逃げないで下さい。分かってます。分かってます。

ここまで描いて分かるように「で、何が面白いの?」ということになるのです。

「アニメが好きらしい」ということで私がよく聞かれる言葉です。

いい意味で劇的でないのです。このお話は特別なドラマは無く、淡々と「ゆるい」学生生活を描いているだけです。
カワイイ女の子たちが「高校生活」という箱庭のなかで戯れているのを俯瞰した「神の視座」で眺めているだけ。
このアニメを見る体験とはそういことに近いかもしれません。*1

だが、それがいいと多くの人が支持をしているのは事実です。

ゆるいからこそ、いい。所謂「萌える」というやつです。


「ゆるい」


どうも最近世間一般から良く聞く言葉です。「ゆるキャラ」なんて言葉もあります。

「ゆるい」
→モノの締りがきつくない。行動に対する規制が弱い。心の緊張が足りない。寛大である。ゆったりしている。等々


押し付けがましい物語「大きな物語」や主張の強いキャラクターに関してやや辟易している人が多いということでしょうか。
それともたまたまテレビアニメを見る文化を持っている人達がそうだったのでしょうか?

でも、あえて「ゆるさ」を選んで生活をしている人が増えてはいないでしょうか?

思えば私たちに浸透してきたインターネットのつながりは、すごく…ゆるいです。


「縛り」が無く、「規制」も無い。すごく、ゆるい。


近所づきあいよりmixiのマイミクへのコメントを考えるとか、
呑み会なのにツイッターが気になってiPhoneをガンガン見るとか。
言いづらいことは、逆にメールで済ませちゃう…とか。

アニメとは絵です。基本的に「嘘」なのです。
しかし描こうとしている世界は嘘ではなく「げんじつ!」です。

そうするとうまく嘘をつかなくてはいけなくなります。

うまく嘘をつくときには物事に対して必要以上に誇大して、伝えることがあります。

アニメがゆるく描かれている、そしてそれを消費する人が多くなっている。

そのアニメの向こうに「ゆるい」現実が見え隠れしているからでしょうか。
「ゆるい」現実を期待して、そのアニメの嘘を楽しんでいるのでしょうか。

アニメは嘘です。二次元です。只の映像です。


だからこそそこに描かれる「げんじつ!」を考えると面白い。僕はそう思ってます。


アニメは気持ち悪いかもしれません。確かにキモイ。ええ、ええ、ええ。分かってますとも。
でも何で気持ち悪いか、考えると実は面白い。

それでも気持ち悪かったら見なきゃいいんです。

ゆるいんで。

*1:このアニメはほぼ男性が出てきません。メインターゲットである男性ファンが自己を投影できる主人公もいません。