「擬人化」って?

この間、とあるメディアに関わっている大学の後輩からメールが来た。

「今オタク界隈で流行ってる擬人化ってどういう流れのものなんですか?
 メジャーなやり方だったんですか?スポット的に現れたものなんですか?」

いきなりの事でなにが何やらというヒトも居ると思いますが、
今「オタク」な人達の中では「擬人化」というのが一つのキーワードになっています。

国を「擬人化」したお話
http://www.geocities.jp/himaruya/hetaria/index.htm

駅を「擬人化」したお話
http://miracletrain.jp/

男性向け女性向け問わず、
また上記のような商業的に流布される作品だけでなく
個人で制作する所謂「同人誌」という世界でも見受けられます。

それを僕に相談してくれた時点である意味誇らしいことなのだが、
酔っ払って書いた割にはまとめて書いたので折角なので死にかけのこのブログに投下してみようと思う。
あくまで僕なりの見解なので細かい事実誤認とかは有るかもしれないけど、
こういう背景があって流行ってるんじゃないのかな、というイチサラリーマンの見解。
客観的に見るとこういうことでしょうか。

  • メール+後輩相手のメールなのでやや上から目線なのはご勘弁!
  • やや下ネタも入ります。ご勘弁!
  • もしも事実が違う!という事があればご教授頂ければ幸いです。

1)言葉の意味的なとこ/手法的なとこ

「擬人化」という手法自体は本当は、
鳥獣戯画的に本来人間で無いものを二足歩行させたり、する意味で使われてたから、
ある意味アートとか芸術の分野では良く使われてたのは何となく直感で分かると思う。
そもそも言葉の修辞的な意味の「擬人化」だったしね。
「擬人化」↓↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%93%AC%E4%BA%BA%E5%8C%96

ヘタリアとかで注目を浴びてるのはこっちだよね。
↓↓「萌え擬人化」↓↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%90%8C%E3%81%88%E6%93%AC%E4%BA%BA%E5%8C%96

2)一般的な歴史(定説ではない)

オタク文化の中で消費されたのは結構初期から。
ビジュアルとして俺が印象強いのはパソコン関係からだったと思う。
ウィキペディアでもそう分析している人もいるね。

http://ostan-moyashi.hp.infoseek.co.jp/ostan/chara.htm

パソコン関係の人がアニメやゲームと親和性が高いものがあって、
普段使ってるパソコンがもしも女の子だったら…?
こんなOSはこういうクセがあるからおっとりした子に違いないとか。

そういう思い入れがあって、ビジュアル化したら
「カワイイ!」という印象に加えて「分かる分かる!」と共感を呼ぶキャラクターになった。
ここが単なる萌えキャラと違うとこじゃないかな。

共通の認識をビジュアル化することによってお互いに盛り上がることができる。萌え擬人化のエネルギーってそういうとこにあるんじゃないかな。お笑いで言う「あるあるネタ」だよね。

3)今現在の萌え擬人化に繋がる系譜(おもにやおい系)

今現在消費されているのは主に色んなものがイケメンに擬人化されている女性向けのコンテンツだよね。ヘタリアも。

ちなみに女性向け、特に男同士の恋愛関係の「やおい」の世界では元々「擬人化」的な発想はとても強い。
その可能性を初めから内包していたといっても過言では無いと思う。

男性向けの文化の中では直接的にセックスを想像させるものが盛り上がったりしたけど、
(ぶっちゃけていうとセ◯クスの対象:オ◯ニーできるかどうか…。汚い話でごめん。)

女性はむしろキャラ同士の関係性だったり、そこに秘めたストーリーに関心が強かった。
特に「オタク」と呼ばれる人が「同人誌」で盛り上がったのはそういう点。
少女漫画はセリフよりモノローグ、ト書きが多くて登場人物の心情とか思いが強調されたのはそういうとこかもね。

男の子が一杯出てくる作品。
聖闘士星矢とかキャプテン翼。これは実は「やおい」文化のはしりとも言われてるのはそういうこと。
男の子同士の関係性を順列組み合わせで考えるのが楽しかったわけだ。自分なりに消費することが。

関係性を重視するともはや関係性そのものが大事であって、結びつくものが何であってもいいんだよね。

例えば極端なハナシ、ロボット同士の恋愛を描いたり、セックスを描いた作品もあったんだ。

「鉛筆」と「消しゴム」の関係を美少年の関係に例えると…「コンセント」と「ソケット」とか「台風」と「日本列島」
↓例えばこーいうの。
http://haruka.saiin.net/~muki/top_flameset1.html

まずは関係性を「擬人化」して楽しむことができる。
そしてそこにビジュアル化することによって楽しむ「萌え」ることができるように「萌え擬人化」して消費するんだわ。

ちなみに今戦国武将がイケメンに描写されててなって人気だよね。

http://www.gamecity.ne.jp/sengoku3/
http://www.sengokubasara.tv/index2.html


ある意味おれはアレも広義の意味では擬人化だと思うのね。
実際は凄いオッサンだったり、醜男かもしれないじゃん。伝統的な日本人だし。
でも、キャラクターとか関係性を優先してカッコよくイケメンに「擬人化」しちゃうんだよね。

内包するキャラクターとかバックグラウンドを元に別の人間にしちゃってるからね。

その延長線上に「ヘタリア」が出てきたわけだよ。

歴史はある意味大きな物語であって、
その登場人物は歴史の本ではイギリスとかドイツといった「国」だった訳だ。
それをそのまま擬人化することによって、
国のイメージ、歴史そのものをキャラクタライズすると…、
皆が広く共感できる「擬人化」に成功したっていう一例だよね。

キャラクターのデザインとか、ストーリがー洗練されていて、
且つ普遍的な設定だったことがここまで皆の大ヒット(二次創作などにおける消費)につながったんじゃないかな。

それがドンドン、国・鉄道等に落とし込まれていって今のヒットに結びついているかな。。。。

<鉄道>
http://www.comic-flapper.com/comics_pickup006.html
http://miracletrain.jp/

<星座>
http://www.honeybee-cd.com/starry_sky.html

都道府県>
http://www.kurofunezero.jp/japonism47/

<祝日>
http://blog.fc2.com/goods/4403670962/fc2blog06-22

結論からいうと、

A:所謂オタク的な表現以外でもあった手法である。

B:「オタク文化」が表面化されたときに現れた一つの流れである。
→自らの身近なものをオタク文化で消費し、共感を得るもの。

C:本来やおい的な文化との親和性が高い中で、
 女のオタクとか「腐女子」というものがある程度市場として認知されるようになってきたところで、
 オリジナルのコンテンツとして擬人化という一つのジャンルが立ち上がって今の状況に至る…のかな?


…以上です。
何か上から目線だったり、女性でもないのに女性向けコンテンツを偉そうに語ったりして、
自分どうなの…とも思いますが自分を鍛える意味でむしろさらして集中砲火受けてみようかな、とww